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スマホマニアック一大特集♪

こんにちは、いずみです。
パジャマの概念がない男性とモーニング
オーダーを終え、さぁ会話だ。
・・と思ったら。
彼は店内に置いている新聞を持ってきて、バサッと広げ読み始めたのです。
え、何故?何故今新聞を読む?
黙々と読んでいる彼に対して、「モーニング、よく来るんですか?」とか「急に仕事になって大変だね」とか話し掛けてみるものの、「そうだね」とか相槌ばかりで話が続かない
何この熟年夫婦みたいな会話の無さ。
わしゃ妻か。
電話では普通に話すのに、対面だと無口…。
無口っていうか、新聞を読み込まれてる。
何?そういうスタンス?
無理して会話を続けようと頑張る気力もなかったので、私もスマホを出しアメブロ読み始めました。
お互い無言
えっと、何しにモーニング来たんだっけそうそう、もう一度お会いしましょうって言われて、夜は仕事入っちゃったからモーニングでって提案されたんだよね。
で、これ?
何で新聞読んじゃってんの?お互いのことをもっと知るために会ってんだよね?
何?もしかして、もう一度会ったらやっぱり違うなーって思っちゃったってこと?喋る気も失せたぜってこと?
なにーっ!!
だとしても、会話もせずいきなり新聞読み始めるなんて失礼!
もうさっさと食ってさっさと帰りたい!
ハッ
もしや彼のトーストとコーヒーだけっていうシンプルな注文はそういうことか!?
早く帰るためのシンプルメニュー!?
くっそー!!
いつもの如く脳内で勝手に妄想し、勝手にヒートアップする私。
結局、最後まで特に盛り上がった会話もなく、モーニングを食べ終えてそのまま解散となりました
「じゃ、夜勤に備えてこれから寝ます。おやすみなさい」
「あ、あぁ…。頑張って下さい
そう言って去って行く彼を見て思う。
なんだったの今日のモーニングは・・・。来た意味なくない?
この人ないわー
しかも、その服。昨夜は今着てるその服で寝たんでしょうね。そしてこれからまたその服で寝るんでしょ?
やっぱないわー
そんなことを思い、プンスカしながら帰ったのでした。
そしてその日の夕方。おそらく出勤前であろう彼からLINEが。
「今日は時間を変えてもらってありがとう。楽しかったです!また次は夜にご飯でも!」
 
 
本気?
楽しかった・・・?
どこが?社交辞令?
パジャマの概念がない男性。
どうやら「楽しい」という概念も私とはズレてる男性でした

アホでマヌケなスマホ

天気待ちだった時間も、ほどなくして雲もなくなりロケが再開した。
その日終わったのは22時過ぎ。
もっと遅くなると予想したので友人との約束は早々とキャンセルした後だった。
ここから自宅までどんなに急いでも1時間以上かかるから、着くのは23時を過ぎるだろう。
翔君は今夜は飲みに行って遅くなるって言ってたし、それならまっすぐ帰って身体を休ませようと考えた。
撤収作業に移ったスタッフや共演者に「お疲れ様でした」と声をかけ、事務所の車へ乗り込もうとしたときに後ろから「お疲れ様です」と声が聞こえた。
そのまま通り過ぎようとした沢田の腕を掴むと、うぉっと声をあげた。
「びっくりした!なんすか?」
「お前もう帰るだけ?」
「そうだけど…」
目を細め怪訝な表情の沢田が握りしめているスマホの液晶には、翔君の名前が表示されていた。
今夜は無理なのとの思わずニヤッと笑うと、すぐに気づいて見んなよ!と睨まれる。
「見たんんじゃなく見えたんだよ。お前だってさっき俺の見たじゃん。お返しだよ」
「…翔ちゃん誘ったけど、今飲み会だから無理って返事で…って。あっ、松本さん知ってただろ?だから友達と約束してたんだ?」
「翔君のスケジュールを俺が知らねえ訳ねえだろ。撮影が長引くと思って友達との約束はキャンセルした。…そうだ、お前さ、この後時間あるなら今夜ちょっとだけ付き合えよ」
いい案が浮かんだ俺に、沢田は嫌な顔を隠さない。
翔君、これって甘えてるってこと?
どっちかっていうと遠慮してないだけじゃないか?
と、この場に翔君が居たら聞きたかった。
「いやぁ〜遠慮しときます。じゃあお疲れ様でした」
ぺこりと頭を下げ、そのまま去ろうとした腕を再度掴んで振り向かせる。
「いや、本当に無理なんで。天下の松本さんとご一緒するなんて烏滸がましくて」
「うるせ!思ってねえくせに。お前、先輩の誘い断んのかよ?」
「本当にすんませーん。また今度でお願いしまーす」
「今度っていつだよ?しばらく同じ撮りないだろ?いいから来いって」
引き下がらない俺に肩を落として盛大なため息をついた。
この仕草、誰かに似てる気がする。
誰だっけかな?
「…わかったよ。どこ行けばいいの?教えてくれたらマネージャーに送ってもらうから」
すごく気の進まなそうな表情だが、予想の範囲内なのでそんなのお構い無しに話を進める。
「バラバラだと面倒だからこっちの車に乗れよ。ほら、荷物取って来て」
さらなるため息をつき、マネージャーの元へ向かう。
2人で一緒にやって来て、「松本さん、よろしくお願いします」と沢田のスタッフから頭を下げられた。
当の本人はというと、浮かない顔で俺の送迎車に乗り込んで来た。
疲れたのか不貞腐れてるのか、席に座ると目を閉じ無言のままだった。
車内は無音のまま、目的地へ走る。
すっかり寝入ってしまった沢田を起こし、適当なところで降ろしてもらった。
「んだよ?行き先は松本さんのお家じゃねえの?」
寝起きのため目をしばしばさせてる沢田。
俺もだが彼もそれなりに疲れてるだろうし、長く拘束するつもりはなかった。
「僕のお家はダメです。それにお前のお目当の翔君はまだ帰ってないと思うよ」
「翔ちゃんの家と松本さんの家は違うじゃん」
「まあ、そうだけど。大抵どっちかの部屋に入ってるし」
歩いてそんな話をしてるうちに行きつけの店に辿り着いた。
ここならこじんまりとした個室の座敷だし、部屋の壁も厚いので話が外に漏れることもない。
今の記者は盗み撮りも盗み聞きも平気でするから、用心することに越したことはない。
「で、話って何?」
席に座るなり、沢田が切り出した。
「この際、腹を割って話そうぜ。お前まだ翔君のこと好きなの?」
それまではフランクに接してたつもりだ。
だが、大切な人の事だから対面席に座ってるこいつにから目を離さず声のトーンを落して聞いた。





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